ブログ HITOGATA   in Otaru       by摩耶

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2007年 04月 30日

恩師

このレリーフは小樽駅から運河へ真直ぐ下がったところの漁協・道信漁連ビルの運河側外壁に掛けられている師の作品、「海の精」です。私の素象人形の先生は彫刻家、小林止良於氏。師は絵画を岸田劉生の弟子に、彫刻は牧田秀雲氏に学び、木彫りもブロンズも手掛けられていました。
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最初は教室で教えていただいていましたが一年後、先生の御自宅で指導を受けるようになり、そこで人形作りのほかに芸術、建築、仏教など教えていただいたものは多岐に渡ります。それも師は70代、私は20代。孫のような年頃の私を一人前の大人として扱い、上から見下ろすのではなく対等に話をしてくださいました。作品作りはすぐ技術が習得できるほど簡単なものではありませんが、先生との会話から得られるものが多々あり、勤め帰りに通うのが一番の楽しみになっていました。この時に「作品作りには技術よりも魂が大切」、「良い作品をたくさん見て、本をたくさん読みなさい」と、精神論にも重きを置いて教えていただいたように思います。

結婚後も小樽から札幌の先生の元へ通っていましたが、子供が出来てからは休止せざるを得なく、「子育てが一段落したら、また伺いたいと思います」という私の言葉に、「多分それは無理だよ」と寂しげに微笑みながら言われました。そして残念なことに現実になってしまったのです。下の娘が二歳の時に先生は天に召されてしまいました。葬儀には道展関係の方々、美術、工芸に携わる方々、美術商の方、そしてご近所の方々などが皆、心から悼み、先生の人柄が偲ばれました。
三年という短い期間でしたが、「師の教えが私の財産」と誇りに思っています。  そして今、未熟ながらも創作出来るのは師のお陰に他なりません。
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by Blog_Maya | 2007-04-30 12:37 | 宝物


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